久々にお仕事のお話です。
先日こんな形状の品物を加工したんですが、見る人が見ればすぐ分かると思いますが、非常に嫌な格好なんです。加工しにくい。
私がやっているような切削加工っていうと、まずはクランプが命なんですね。なにはともあれしっかりと固定されてなんぼなわけです。標準的な方法としては、バイスというもので挟んで固定します。ちょうど手でつかむような形になりますから、当然四角い物が安定して固定できるので、ベストとなります。なので、材料の状態では、無垢のブロックから削りだしていくことになります。
加工順としては、基本的に表加工→裏加工という順になりますが、全ての品物がそれで終わるはずもなく、大抵は横から加工が必要だったり、斜めからアプローチしなければならなかったりします。
今回のこの品物も多方向からの加工を必要とし、結局6回の加え直しをしました。
上、横2回、斜め、また上、最後に下からというような感じかな。
んで、こういう品物のように大部分が意匠面で構成されている部品っていうのは、加工しているうちに、どんどんとくわえるところが無くなってくるわけですよ。
じゃあ、どうするのさ!っていうと、この辺が企業秘密ってやつで、各社それぞれが独自にノウハウを持っているところなんですねぇ。
今回のこの品物も、多少平行面があるので、バイスでくわえようと思えば出来ますが、あまりにも小さい面なので、クランプ力が頼りなく、ぐっと押さえると品物が変形してしまう恐れがあり、最悪の場合には品物が吹っ飛んで不良と言うこともあり得ますから。
というわけで、かなり特殊な方法でクランプをして加工したわけです。
(さらに…)
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Posted on 3月 31st, 2007 by snail
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